弁証論治トレーニング㊶ 心火亢盛証
こんばんは。
ここ数日は4月の試験対策で、猛勉強されている方も多いのでは?と思います。
ずいぶん前に(少し前の方も)学業は卒業したのに、なんでまぁ またこんなに必死に勉強してるのかしら私…? なーんて考えてもしょうがないですね。
当時はそういう私もこの時期、毎日ふぅふぅいいながらノートをまとめなおしていました…。
でーも、こんなに深くておもしろい学問に出会ってしまったんですから♪ あと少しご一緒にがんばりましょうネ!!
前回の「小腸実熱証」と順序が逆になりましたが、今日は「心火亢盛証」です。
こちらがベースとなる証ですから難しくはありませんね、復習を兼ねて勉強しましょう。

燃えるハート…という表現がありますが、心は五行の「火」に属し、別名「火臓」ともいうように、実際に触れるととても熱い臓です。
心は黄帝内経で「君主の官」と称されるとおり、神明を司り生命を統制する最も重要な臓器で、心の働きは心気・心陽によります。
心の「血脈を司る」働きには、●血の生成(脾で生成される水穀精微と、肺で呼吸した新鮮な空気から宗気が作られ、そこに心火が作用して血ができます)。
●血流の促進(心気により血を動かします)
●脈管の統制(脈管の動きを統制します)の3つがあります。
心火亢盛証㊶(しんかこうせいしょう)
主な症状
顔色が赤い、のどの渇き、煩躁、不眠、尿が黄色、便秘、皮膚の瘡瘍、口瘡、舌質紅、脈数
譫言、吐血、鼻血 など。
症状の分析
顔が赤い → 熱証がうかがわれます、「心の華は顔に現れる」ので心熱が疑われます。
のどの渇き → 熱証、津液が消耗・不足が疑われますが、乾燥の症状がないので熱証かと思われます。
煩躁 → 煩躁は、胸に熱感があり胸苦しさ・不安感があり、イライラとじっと落ち着いていられない感じですから、やはり心に熱があることが考えられます。
不眠 → 不眠は、主に心・肝・腎のさまざまな失調が引きおこすほか、陰血不足や陽の亢進なども原因となります。
ここでは他の症状から、心の失調が疑われますから(肝や腎の症状は見られません)、心の「神志を司る」働きの失調によるものと考えてよいでしょう。
尿が黄色・便秘 → 心は経絡で小腸と表裏の関係にあります。
これにより心熱は、身体の下方の臓腑に伝わりやすいといえます。
膀胱に熱が移れば尿は濃く少なく(赤短)となり、大腸に伝わると腸壁は津液を消耗し便が乾燥しやすく便秘になります。
熱により尿道の血脈が灼損されると、尿には血が混じる血尿となり、排尿痛が引きおこされることもあります。
皮膚の瘡瘍 → 顔にニキビや吹き出物ができることが多いです、「心の華は顔に現れる」ですね。
血分に熱があると熱毒で腐傷し瘡や瘍が生じやすく、膿をもちやすくなります。

口瘡 → 口内炎を繰り返し生じます、舌瘡もみられます。
舌は別名「心の苗」といい、心は舌に開竅します。
●舌の動きは、心は「血脈を司る」働き(脈管をコントロール)によりスムーズに動きます。
●味覚、たとえば味覚異常は心理的な問題が関わることが多いです。
舌質紅、脈数 → 熱証がうかがわれます。
舌尖からは心の状態が望診できます、心熱では特に舌尖が紅く、ブツブツと芒刺や瘡が現れることがあります。
譫言、吐血、鼻血 → 火熱邪気が強いと神明を乱したり(擾乱)、迫熱動血して出血を引きおこすこともあります。
重篤な場合は、精神錯乱もあります。
なお、譫言・吐血・鼻血はそれぞれほかの臓腑の失調や気血陰陽の失調でもおこりますから、復習しておいてくださいネ!
弁証・・・心火亢盛証
立法・・・清心瀉火
方剤・・・導赤散
(弁証論治トレーニング㊵ 小腸実熱証を参照)
心は火臓といってもともと熱く、また熱くなりやすいともいえます。
感情が鬱積して化火したり、辛熱温補の過食などで心火が内盛することで引きおこされる病証です。

試験が近づくと、心火が内盛しやすくなりませんか? 私は毎月の授業の時は少し緊張気味で心火亢盛っぽく、舌尖紅・芒刺で舌先が少し痛いでーす!
それではみなさま、あと少しですから体調に気をつけてがんばってくださいネ♡
お付き合いいただきありがとうございました。
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