弁証論治トレーニング㊳ 津液不足証


こんにちは。

平昌オリンピックのスノーボード・ハーフパイプに魅入られています!

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グーフィースタンス、フロントサイドダブルコークフォーティーンフォーティ…キャブダブルコークテンエイティ…ううぅ。。

華麗なランに感動するのはもちろん、トリックのいくつかが見分けられて、名前がいえたときの快感といったら!フォーっ!(雄たけびです)これって、間違えやすい弁証ができたときの気分に似てませんか♪


精・気・血・津液・神といいますが、それぞれを簡潔に説明できますか?

今日は津液(しんえき)についてです。

津液とは?

津液は身体のよい体液の総称で、人体を構成し生命活動を維持している基本的な物質です。

体外に分泌される汗・鼻水・涙・涎・唾も津液です。

津液の「津」とは、霧のように希薄で流動性があり、体表・皮膚・筋肉・毛穴に分布し血脈にも浸透しています。

津液の「液」とは、濃い液体で流動性が少なく、関節・骨髄・脳・臓腑に注ぎます。

津液・血・精は同源であり、互いに変化しあっています。

津液の作用には・・・

1.滋養作用・・・皮膚、毛髪、臓腑を潤す。

2.潤滑と保護作用・・・関節、目、鼻、耳、のどを滑らかにし保護する。

3.補充作用・・・骨髄、せき髄、脳、関節の液体を補充するほか、血の一部になる。

4.排泄作用・・・汗、便、尿とともに老廃物を代謝し排出する。

 

津液不足証㊳

多くは過度の発汗、嘔吐、失血、利尿、あるいは燥熱の邪気などによって津液が消耗して、引きおこされます。

主な症状

のどの渇き、皮膚や唇の乾燥、きめが粗い、痒み、毛髪につやがない、便秘、尿少、舌質紅少津、脈細。

 

症状の分析

津液の不足や消耗によりのどが渇き、皮膚や唇・毛髪、粘膜が滋潤されないと、乾燥の症状が現れます。

津血同源なため、の原因は乾燥だけではなく、血の不足も引きおこし営養不足も関係します。

 

便秘 → 大腸や小腸の液が不足すると糟粕の水分が奪われて便が乾燥し、大腸壁が潤いを失うと便を伝送することができません。

 

尿少 → 腎が気化する水液が少ないと、尿量が減少します。

 

舌質紅少津 → 目立った熱の症状は現れないものの、津液は身体の陰液であり、陰の不足は相対的な陽の亢進を招くものです(その前兆が現れていると考えられます)

舌体も、水分不足で少しやせたような感じがあり、苔は少なく、あっても少なく乾燥した感じです。

 

脈細 → 虚証や気血両虚にみられます。

 

弁証・・・津液不足証

立法・・・養陰生津潤燥

方剤・・・五汁飲(ごじゅういん)

これは梨・レンコン・クワイのしぼり汁と、中薬の芦根・麦門冬を煎じた薬汁を合わせたものです。

家庭で手に入りそうな材料ですね! お茶の代わりに飲みます。

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津液不足証は陰液の不足ではありますが、目立った熱の症状はありません

また、特にどの臓腑に問題が生じているとも判断がつきません。

このようなときは、想像で症状を付け加えたりせずに、丁寧な分析に従いましょう。

 

津液の生成・分散・排泄には多くの臓腑が関係しています。

脾胃の運化で水穀精微を作り津液に化生、肺の宣発粛降肝の疏泄が助けて全身に散布し、腎と膀胱の気化作用で排泄されます。

また三焦は水の通路です。

 

お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

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