カゼのシーズン到来! 弁証論治トレーニング㉗


こんにちは! 前回の弁トレでは、風寒の邪気による表証を勉強しました。

肺は、五臓の中では最も最初に外因邪気を受けやすいというお話をしましたが、さらに肺はとてもデリケートな臓で、冷えや乾燥によって傷めやすい特徴もあります。

冬は空気がが冷えて乾燥しますから、いっそうの養生が大切ですね!

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㉗寒邪客肺証

症状の分析

咳がひどい、喘息、痰が薄くて白い、悪寒、四肢の冷え、胸痛、舌淡苔白、脈遅。

 

咳がひどく、喘息 → 寒邪の侵入で、肺の「宣発と粛降を司る」働きが失調しています。

肺気が粛降できないと上逆し咳や、ひどいと喘息症状をひきおこします。

 

痰が白っぽくて薄い → 肺の「宣発と粛降を司る」働きが失調すると、通調水道の働きも低下するので、水液代謝が悪くなり痰湿を生じやすくなります。

肺は「貯痰の器」といわれるように痰湿が停滞しやすい臓です。

寒邪の影響で肺に熱はないようで、痰は薄く白っぽいです。

 

悪寒 → 悪寒といえば「表証」…ですね、表証といえば風邪ですが…実はこの寒邪客肺証も表証に分類されていることが多いのです。

肺の生理機能として、「皮毛を司る」「宣発と粛降を司る」ことにより衛気を全身に巡らせるという働きをしていますが、このことから肺の病証には表証を兼証として伴うことが多いのです。

肺衛に寒邪や風邪といった邪気があり、正気と邪気が戦えば悪寒がおこります。

 

四肢の冷え → 肺失宣降により、衛気が十分に肌表を温めることができなくなります。

また寒邪の影響が強いと、体内でも陰寒の邪気が強くなり陽気の巡りを阻滞させます。

 

胸痛 → 寒邪の凝滞性の特徴で、気機が阻滞され「不通則痛」の状態になります。

 

舌淡苔白 → 舌質からは熱の症状は見られず、苔からは邪気が体内へ深く進攻している様子は見られません。

舌が潤などであればさらにわかりやすですが、陽気の不足や阻害で現れている舌象といえます。

 

脈遅 → 症状の分析では、表証に属することも…といいましたが、ここでは「浮脈」ではありませんね。

よって、「表証」という兼証をはずした弁証にしました。

 

弁証 : 寒邪客肺証

たとえば冬に身体が冷えてカゼをひき、いきなり喘息のような症状が出るケースなどです。

寒邪だけで、風邪の症状や表証をあまり示さない場合がこれに当たります。

すごく似ていて、ややこしいですね!

 

立法 : 温肺散寒・化痰止咳、温肺散寒止咳 など。

 

方剤 : 止嗽散 など。


まとめ

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風寒束肺証

肺気不宣により、咳・喘息症状が主なもの、風寒表証を兼証として伴うことが多い。

一般的に表証は軽いか、ほとんど現れないこともある。

辛温解表により肺気の宣発を助け、「宣肺止咳」することをまず初めに考える。

 

寒邪客肺証

肺気不宣により、咳・喘息・痰の症状が強いもの、寒邪による症状を伴うものが多い。

表証に含まれることもあるが、一般的に表証は軽いか、ほとんど現れないこともある。

寒邪を取り除き「温肺散寒・化痰止咳」を主に考える。

 

風寒表証

悪寒発熱が主な症状で、咳や鼻水、鼻閉は付随して現れる症状。

咳のおこらないこともある。

風寒の邪気を除くために「散寒解表」する。

 

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