胃はなにを司る??やさしく解説・中医学から見た胃の働き


五臓六腑のうち、胃の調子はわりと自覚しやすいですね。みなさまの健康のバロメーターになっているのではないでしょうか?

日々の健康は食べることから…といわれますが、胃は脾と協力して食べたものから営養物質を作り、全身に送り出す重要な役割を担っています。

中医学では、胃を全身の健康状態を知る手掛かりとしてとても重視し、舌診という診断方法を確立しました。

それではさっそく、胃の生理機能について見てみましょう!


胃の概念

胃は、別名「胃脘」(いかん)といい、大きく3つの部分に分けています。

胃の入り口である噴門(ふんもん)部を「上脘」(じょうかん)、胃体部を「中脘」(ちゅうかん)、胃の出口である幽門(ゆうもん)部を「下脘」(げかん)といいます。

昔は噴門・幽門などの区別をしていないので、胸骨の下(剣突)からへそまでを3部に分けて上・中・下としていました。

 

胃の生理機能

1.胃は水穀を受納・腐熟する

水穀(すいこく)とは飲食物のことで、私たちは食べ物を歯でよく噛んで胃に送ります。胃が食べ物を受け入れることを受納(じゅのう)といいます。

食べたものが大腸に送られるまでは、個人差はありますがだいたい6~8時間といわれ、この間に胃で初期消化して発酵させる時間が長いといわれます。このプロセスを腐熟(ふじゅく)といい、ドロドロに発酵したものを食糜(しょくび)といいます。

食糜は小腸に送られて水穀精微(すいこくせいび)の基本物質となります。水穀精微は飲食物を消化吸収して作られた営養豊富な精微物質で、気・血・津液・精のもとになります。

胃は「太倉」(たいそう)、「水穀の海」とも呼ばれており、常に潤った状態を好み、乾燥を嫌う「喜潤悪燥」(きじゅんおそう)という性質があります。

 

2.通降を司る

通降(つうこう)とは通じ降ろすことです。

胃で受け入れられた食べ物は、消化され小腸・大腸へと送られて下っていきますが、この通降という作用が失調すると脾の昇清作用にも異常がおこります。

通降は、気の働きの方向性でもあります。

気は気機(昇降出入)という作用の方向性を持っていて、五臓六腑はそれぞれに決まった気機の方向性があります。その働きによって必要なものや廃物をを送り出したり、臓腑間の連携をしています。

中でも脾と胃の気機をあわせて「中気」(ちゅうき)と呼び、食べ物を消化し通降の作用で小腸へ送る胃気と、消化吸収されたものを化生して営養物質を作り、昇清の作用で心肺の方へと送る脾気は、身体の中心で気の昇降を行うので「気機の中枢」とも呼ばれます。


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中医学では、舌の状態をよく観察して臓腑の病変や病邪の性質、深浅などを探ろうとする「舌診」(ぜっしん)を大切にします。

舌の表面にうっすらと見える苔のようなもの「舌苔」(ぜったい)は、胃気が化生したものです。

この舌苔は病気の進行によって変化しますが、病気の予後を判断するうえで「胃気」があるかどうかはとても重要なことなのです。

舌診は、数多くの臨床経験を積んで初めて診断できるものですが、ここでは胃気と舌苔の関係についてだけご紹介しておきます。

 

次回は、薬膳的今日のおかず・・・を何品か作る予定です。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

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