薬膳的今日のおかず・・・春の和え物を2つ

こんにちは、暖かくなったわ~と思ったら雪まじりの嵐になったり…気温の変化が激しい時期です。
春の陽気に反応して、体の中にも勢いよく陽気が巡りだすと、心も体も軽やかに外に向かって動き出したくなりますよね。
「気」はいつものびやかに、スムーズに巡っていることが理想的な状態です。気の巡りをよくする作用を理気(りき)といい、芳香性の強いハーブ類や柑橘類の皮、ジャスミン、バラなどがあります。
また陽気をほどよく発散させる作用を持つ辛温解表類・辛涼解表類は風邪の初期によく使われ、軽く発汗させて邪気を追い出しますが、春先の薬膳にも出番がたくさんあります。
いつもの和え物も、食材の持つ作用を知って作る時期を考えたり、食材どうしを組み合わせればぐっと薬膳に近づきますよ!
シャンツァイとキュウリの白和え
材料(4人分)
シャンツァイ1束、キュウリ1/2本、木綿豆腐小さめ1丁、白ゴマペースト大さじ1、みりん・薄口しょうゆ・塩を各適宜
作り方
①豆腐を水切りしておく。
②シャンツァイは洗ってよく水けを切り、葉を摘み取る(生のまま使う)。茎は食べやすく切りそろえ軽く湯通しして水気を取っておく。
③キュウリはシャンツァイの茎に合わせて細切りにし、軽く塩を振り水気が出たら洗って水気を切っておく。
④白和えの和えごろもを作る。豆腐とゴマペーストをすり鉢であたり、みりん・薄口しょうゆで好みの味に調える。キュウリに塩気が残っているので、あまり塩気を濃くし過ぎない。
⑤シャンツァイとキュウリを④で和え、好みで白ゴマ(切りゴマ)をあしらう。
ポイント
野菜から水気が出るので、なるべく食べる直前に和える。
和えごろもの固さは好みでよいので、絹ごし豆腐でもよい。滑らかになるまですり鉢であたる。
シャンツァイ(パクチー)は辛温解表類に属します。キュウリと豆腐は清熱類といって体の熱を冷ます作用があり、白ゴマは滋陰類といって体の陰を補うため、こちらも体にこもる熱を冷ますように働きます。この和え物は、春の陽気のいい暑いぐらいの日におすすめできます。
じゃが芋の青シソ和え
材料(4人分)
じゃが芋2個(メークでも男爵でも)、青シソ30~40枚、オリーブ油大さじ2~3、塩適宜
作り方
①じゃが芋をスライサーで薄く切り、さらに短冊切りにする。半生状態で和えるので、厚みがない方がよい。ボウルに水をはり10分ほど漬けておく。
②青シソの葉を洗って軸を取り、よく水けを拭きとる。あらかじめざく切りにしてからすり鉢に移す。
③②にオリーブ油を少しづつ加えながら、すり鉢ですりつぶす。塩少々で味を調える。
④たっぷりの湯を沸かし、①の漬け水を捨てて湯をはり、30秒~1分待って湯を捨てて冷水に取り、すぐに水気をしぼる。
⑤④のじゃが芋を③で和える。(好みでコショウ少々をふるとよい)
ポイント
じゃが芋は、熱を入れすぎないでシャキシャキとした食感を残す。
青シソは、すぐに黒っぽく色が変わるので、油を加えてすりつぶす。きれいな青みを加えたいときは、青菜(ホウレンソウなど)を塩ゆでしてすりつぶしたものを足す。
青シソも、シャンツァイと同じ辛温解表類です。補気類に属し脾を補うじゃが芋と合わせて簡単な春の薬膳になりました。青シソやオリーブ油の量は好みで加減してください。なたね油や太白ごま油でも、おいしくできます。
じゃが芋は、塩味が効きやすい野菜だと感じます。控えめに合わせて、足りなければ後から加えるのが安心です。
パルメザンチーズや煎った松の実を加えて、パスタでおなじみのバジルソースのようにしてもおいしいですネ。チーズも松の実も滋陰類ですから、春の薬膳として私はよく作ります。
おとなの春サラダ
シャンツァイがかなり余ったのでもう一品…。
材料
シャンツァイ、クレソン、パセリを好みの量で。リンゴ1/4固、
レモン1/2固、オリーブ油、塩、ハチミツ(なければ砂糖でもよい)。
作り方
①葉ものは、洗ってよく水気を切り葉を摘み取る。(残った茎は炒め物などに使える)
②リンゴはよく洗って皮付きのまま小口に切り、塩水に漬けてすぐに水気をふきとっておく。
③レモンはよく洗い、皮の黄色い部分を細切りにする(量は好みで)。レモン汁を絞り、塩とハチミツ(なければ砂糖でもよい)オリーブ油でドレッシングを作っておく。
④食べる直前に全部を和える。
ポイント
香りや苦味の強い個性的な葉っぱで作り、体を目覚めさせます。トレヴィスやチコリのほか、お好みのハーブ類をたくさん使って、複雑な味わいを楽しんでみてください。青シソや小ねぎ、ニラを加えると、和風にもアレンジできます。
胃の弱い方は、強い香りと味でちょっともたれる感じがするかもしれません。そのようなときは、ベビーリーフなどと合わせて芳香性の葉っぱを減らすといいでしょう。また、リンゴやオレンジ、キウイなどを加えると味わいが軽やかになりますョ。
サラダの香りを活かすには、シンプルなドレッシングの方が合います。
生野菜のサラダといえば体を冷やすというイメージがつきものですが、シャンツァイや紫蘇、ネギ、ニラ、ヨモギなど温性の葉もの野菜の分量を増やしたり、辛味の効いたドレッシングを合わせて涼性を緩和する工夫をして楽しむことができます。
次回は中医学・薬膳学の歴史か弁証論治トレーニングか…?まだ未定です。そろそろ資格試験が近づいてきていますから。
お付き合いいただきありがとうございました。
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