必勝合格!弁証論治のまとめかた(後編)


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カルテに書かれた症状を、1つづつ細かく分析し弁証ができたら、答案用紙に記入しますね。

書くと分量が多い分析をどうまとめるか?手際よく設問をこなすためには、あらかじめ書き方を決めておくことが大切です。

ここでは「脾気虚証」の弁証を例にまとめてみます。


症例

50歳女性、ふだんから好き嫌いが多く、甘いお菓子はよく食べる、食が細い。顔色が萎黄、息切れ、めまい、消痩、食欲がない、口が淡く味があまり感じない、四肢の無力感、疲れ、膨満感があり食後に悪化する、むくみ、下痢、ときどき便に血が混じる、ときどき皮下出血がある、舌淡苔白歯痕、脈虚。

分析

50歳→加齢により臓腑の働きが虚している疑いがある。

食習慣→気血化生の不足や湿の停滞が疑われる。

 

脾の運化を司る機能が低下→水穀精微の生成不足→営養できない→顔色萎黄、めまい、消痩四肢無力感

→気の不足→息切れ、疲れ、食欲ない、膨満感食後に悪化

→水液の代謝障害→むくみ、下痢、舌に歯痕

 

脾の四肢と筋肉を司る機能が低下→四肢無力感、消痩、疲れ

脾の統血を司る機能が低下→便血、皮下出血

脾は口に通じる(開竅する)→口が淡い、味がしない→脾気不足

脈虚→虚証の脈象


まとめ

臓腑について学んだときに「それぞれの臓腑は何を司る」かを覚えましたね?分析にはその言葉を使うと、コンパクトに説明しやすくなります。

症状がいくつ書かれていても、それぞれについて説明は必要ですが、緑の文字で書いた「〇は〇〇を司る」機能が低下し(あるいは、失調して…でもよい)茶色の文字で書いた作用が低下する。だからこの症状が出る…とつなげて書けばいいということです。同じ作用が低下して出た症状は、まとめるといいですね。

文章は箇条書きで、→などでつないで書くと、書く時間が節約できますし、試験官にとっても読みやすい解答になります。

五臓については必ず「何をつかさどる」、「どこに通じる」(開竅する)、「どこに華が現れる」(健康状態がわかるか)を覚えてください。

なお、肝の病証では脇肋部に、腎の病証では足腰に症状が現れやすいことも覚えておくといいですね。

 

次に、分析ができたら「弁証」「立法」に進みます。

まだ病証の種類も少ないですから、できるだけテキストの通りに覚えたいものです。

試験中に緊張して言葉が出てこないとき…あきらめずに自分で名前を作ってでも答えは書いてくださいネ!たとえば「心脾両虚証」と書けなくても「心血虚証」と「脾気虚証」と分けてでも書かないよりはいいのです。

立法が思い出せなくても、どの臓の何をどうするのか?を3~6文字の漢字で表現できればいいのです。

たとえ1点でも、取れるものなら取りましょうョ!白紙解答だけはダメですョ。

 

弁証施膳

お粥やスープ、薬膳茶、炒め物、煮込み…いろいろ考えられますが、できるだけ簡単なレシピをあらかじめ考えておくことが望ましいです。

レシピ名は、材料で目的をはっきりさせると試験官に意図が伝わりやすいです。たとえば「ポパイの元気スープ」では、何のためのスープかわからないですね?(特に若い方には…)。

これを「ほうれん草と落花生のスープ」などにすると養血を目的としていることがはっきりします。

 

また複数の食薬を使ってレシピを作るときは、その中で目的のために最も効能がある食薬を最初にして名前を決めます。たとえば補気のために鶏肉・吉林人参・椎茸・じゃが芋で煮込み料理を作るとすると…、

「人参鶏肉煮込み」「吉林人参入り鶏と椎茸の煮込み」などがいいでしょう。主目的に合った中薬→動物性の食薬→植物性の食薬の順にならべるとうまく収まります。中薬を使わない場合は、分量にもよりますが動物性のものの方が、植物性のものより力が強いです。

 

これは、方剤の組み立て方である「君・臣・佐・使」の考え方をレシピの組み立てにも応用しています。

試験には「方剤」の科目があり、覚えるのが大変だと感じる方が多いのですが、病証に対する代表的な方剤の中身を見て、君薬・臣薬になっている中薬の名前を覚えておくと、薬膳レシピにもそのまま使えることが多く便利です。

病証、食薬、薬膳レシピ、方剤が頭の中でつながるので覚えやすく、理解も進みますので「方剤学」を嫌わずにがんばって覚えてほしいと思います!


ここまで弁証論治・弁証施膳のまとめ方について書いてきましたがいかがでしたか?

最後に、もうひと押し得点につながる(かも?)解答についてです。

症例には、そもそもの病症の原因と思われる記述や、患者の体質などについて書かれていることがあります。時間に余裕があれば、患者さんへのアドバイスとして生活習慣や食生活についての注意事項が書けるといいですね。中医学は「治未病」を重視していますから、体質改善や他の病邪を受けないために指導するつもりで考えましょう。

たとえば症例では偏食で、甘いもの好き…の脾気虚証ですから、「ふだんから食生活に気をつけて肥甘厚味を控え、薄味で消化のよい温かい食事を心がける。」「脾胃の負担にならないよう、食事回数を分ける。」「過労を避ける」「ふだんから四君子湯加減の服用をすすめる。」などがいいでしょう。

 

みなさん試験がんばってくださいね!!応援してます💛

 

この投稿へのコメント

  1. えみっしー said on 2017年4月10日 at 5:03 PM

    さいこ先生、はじめまして。
    東京教室に通う、えみっしーと申します。

    たまたまこのブログを見つけ、
    以降、毎日のように拝見させていただいていました。

    特に、弁証トレーニングは、実際に全20問を何度も解いて、
    解説もしっかりノートにまとめて試験にのぞみました。

    弁証するのが楽しく、
    そして先生の解答を読むのが嬉しく、
    早く次の問題がアップされないかな~と楽しみにしておりました。

    合格できたのも、理解が深まったのも、さいこ先生のおかげだと思っています。

    私は、中医学や漢方薬の勉強はもう何年もしているのですが、
    先生の解説のおかげで、とても立体的にとらえられるようになりました。
    ほんとうに感謝しております。

    実のところ・・・。
    いままでもこれからも、コメントを残すつもりは無かったのですが、
    昨日の試験で、たまたまお隣の席のみなさんが福岡の方々でした。

    これもご縁で、きちんと御礼をしなさいと導かれているような気がして、
    ご挨拶させていただきました。

    本当にありがとうございます。
    資格は取得しましたが、臨床に立つ身なので、
    実際に患者さんに向き合うような気持ちで、
    今後もブログを通じて先生にご指導いただけたら幸いです。

    これからもブログ楽しみにしております。

    まずはお礼まで。
    こうした機会をくださった福岡校の生徒さんもにも、
    どうぞよろしくお伝えくださいませ。

    • さいこ said on 2017年4月11日 at 10:58 AM

      えみっしーさん、初めまして。ポンコツ講師の古谷さいこです。
      コメントありがとうございます。

      授業で説明しきれないことなんかを詰め込み、センスなく形が定まらない・・・散漫!
      複数のテキストをあっちこっち探すことが嫌であきらめてしまわないように・・・ややしつこい!
      仕事じゃないとついついさぼる・・・更新しない!

      と、福岡教室限定?なものだったのですが、辰巳先生にばれてしまいリンクを載せていただくことになりました。
      気長に5年くらいかけたら、見られるものになるかなぁ?と思っているところですが、
      多少なりとも応援の気持ちが伝わったのなら、私はとてもしあわせです。えみっしーさん、合格おめでとうございます!!

      通信の1期生で、なにしろ自分で本を探して読む→質問する→また解らなくなる~の繰り返しだったので、
      特に弁証論治はニーズがあるかな?と思いました。
      当初、無謀にも買った解説書の何冊かは、今読んでも「秒」で寝落ちしてしまいます(笑)。
      興味深いけど、むつかしい学問ですね!

      臨床の現場でお仕事をなっさっておられるようですので、経験を積まれて一層知識と理解が進まれることと思います。
      今後の益々のご活躍をお祈りいたします。

      5月の北京ツアー参加予定でしたが、辰巳先生から仕事をいただき、急きょノートパソコンを買うことにしたのでキャンセルしました(泣)。
      苦手なもので逃げていたのですが、もう少しPCスキルないとなぁ…ブログも始めたしぃ?という事情です。
      なんやかんやで旅費より高額になり、(;´д`)トホホですが、うれしいコメントをご褒美に更新がんばりまーす

      エレガントなお便りをいただきながら、やっぱりポンコツな返事でごめんなさい。
      ありがとうございます!
      福岡も、全員合格できました。皆にも伝えますネ。

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