風邪を撃退!解表類ってなに?どう使う?

風邪はひき始めが肝心っていいますよね。
中医学では「解表類」(げひょうるい)を使って汗をかかせ、早いうちに風邪を 体の外に追い出します。
解表類は、簡単に手に入り、キッチンにストックできるものがいっぱい。解表類を使った簡単薬膳で、 この秋冬を元気に過ごしましょう!
解表類とは
私たちの体は、目には見えませんが「気」が絶えず体表を巡っていることで、風邪や寒さなど自然界からの邪気(病気の原因)から守られています。この気を「衛気」(えき)といいます。
体に侵入しかかっている邪気と、防衛する衛気が戦うことで悪寒・発熱・鼻水・咳などの風邪ひき特有の症状が現れます。
邪気が衛気を突破して、まだ体の浅いところにあるうちに、解表類は汗を出させることによって邪気を 体外に追い出す作用があります。
解表類には、辛味で汗をかかせ、体を温める「辛温解表類」(しんおんげひょうるい)と、辛味で汗を かかせ、体の熱を冷ます「辛涼解表類」(しんりょうげひょうるい)の2つがあります。
辛温解表類の食薬

生姜(しょうが)、紫蘇(青でも赤でもよい)、葱白(白ネギ・白い部分)、香菜(シャンツァイ)、茗荷、三つ葉、桂枝(シナモンの細枝)、防風など。
これらは、辛味と温性で発汗させる力が強いので、寒い季節の風邪ひきで、 悪寒・発熱・鼻水鼻づまり、頭痛、肩こりなどの症状があるときに使います。熱よりも悪寒の方がひどいときに向いています。風邪以外にも、体が冷えた ときにも使います。
辛涼解表類の食薬
菊花、薄荷(ミント)、桑葉、葛根(クズの根、葛根のデンプンが葛粉)、 淡豆鼓(中華調味材料の豆鼓ではない)、牛蒡子(ゴボウの種)など。
これらは、辛味で汗を出させるが涼性なので春秋の風邪ひきで、熱、 鼻水鼻詰まり、のどの痛み・痒み、のどの渇き、目の充血などの症状がある ときに使います。悪寒があまりなく、熱がつよいときに向いています。
ポイント
身近な食材でもある解表類ですが、効果を得るためには特性や使い方を知ることが大事です。
解表類には、花や薄い葉、軽い質感のものが多いです。これらを煎じるときは時間を短めにします。 煎じすぎると揮発性の有効成分が飛んでしまうためです。
ふつうにお茶を入れるように使うといいですが、煎じるならば15分ほど水に漬け、そのまま火にかけ沸騰したら火を弱めて5~10分煎じます。必ず蓋をしてください。

解表類は、カゼのひき始めに毛穴を開いて、汗とともに邪気を追い出します。お粥やスープに使う際、早く元気になってほしいから…と栄養たっぷりにお肉や卵、お芋などを一緒に入れてしまいますね?それダメです!
体を養って元気をつけるものの多くは「補益類」といい、体に必要なものを作って貯蔵するように働きます。この性質が、追い出したい邪気までも引き 留めてしまう傾向があるからなんです。
カゼのひき始めは、あまり食欲もありませんね?水分を十分にとって温かく して休むことが大切です。水分は温かくして吸収しやすく、そこに薬効成分があれば効果を得やすくなりますね。
風邪をひいたかな?と感じたらできるだけ早く。解表類で邪気を取り除き、少し症状が治まってから、 元気の出るものを食べて快復に努めましょう。
汗をかかせるとき、汗はじわっとにじむ程度で十分です。汗だくになっては、

かえって正気を消耗してしまうからです。汗で冷えないようによく拭いて、 温かくしてできるだけゆっくり休みましょう。
次回は、解表類を使った簡単な薬膳レシピをご紹介します。
お付き合いいただきありがとうございました。
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