乾燥して微熱がある…弁証論治トレーニング解答④

弁トレ④の分析をしてみましょう!
症状
9月8日診察、顔が赤い、鼻血、のど乾く、皮膚乾燥、午後微熱、ここ何日か便秘。
分析
9月8日→季節特徴は温燥(秋は燥邪、夏に暑さが残る前半を温燥という)。津液や肺陰を傷めやすい。
顔が赤い→熱証がうたがわれる。
午後微熱→陰虚の熱と考えられる。ほかには明らかに陰虚の症状はない。
鼻血→肺が燥邪で痛み水液を臓腑組織に散布できない→鼻を潤せない(肺は鼻に開竅する)。
皮膚乾燥→同上。肺は皮毛を司るが、津液を十分に送り滋養できない。
のどが渇く→津液の不足。
便秘→津液不足で大腸を潤せない、肺は経絡を通じて大腸表裏の関係にある。
弁証
燥邪犯肺証
立法

滋陰潤肺、生津潤肺、(辛涼解表)
浮脈や空咳、無痰など明らかに風燥の表証と断定できないが、陰虚体質の人が燥邪を感受したように見られる。まだ軽症であるようにも思われる。津液を 増し、肺の乾燥を潤すことを主にして、辛涼解表で早めに風燥の邪気を解することにした。
食薬・・・滋陰類、辛涼解表類
立膳
杏仁葛湯
(材料2回分)杏仁霜大さじ1、牛乳300cc、葛粉大さじ1、ハチミツ少々
作り方
①葛粉と杏仁霜をよく混ぜ、牛乳と合わせて火にかける。絶えず混ぜながら、とろみが出たら火を弱めてさらに2分ほど加熱する。
②ハチミツを加えて甘みを調える。
食薬の効能
杏仁・・・平性・甘味、肺大腸に帰経、潤肺平喘、潤腸通便

牛乳・・・平性・甘味、胃心肺に帰経、補肺益胃、生津潤燥
葛粉・・・涼性・辛味・甘味、脾胃に帰経、発表解肌、解熱生津
蜂蜜・・・平性・甘味、脾胃大腸に帰経、潤腸通便、潤肺止咳、補中緩急
ポイント
杏仁には、甜杏仁と苦杏仁があるが、苦杏仁は苦みが強く薬膳には使えない。南杏仁がいいが手に入りにくいので、杏仁霜を使っても効果は得られる。庭木などから収穫したアンズの種の核も使えるが、甘味と苦みがバラバラに混じっていて見分けられないので注意する。生のアーモンドを使うこともできる。
杏仁豆腐は、デザートとして人気がありますね。冷やし固めたものではなく、温かい飲み物にしました。簡単に作れておいしいのでおすすめです。葛粉は「葛根湯」に入っている葛根のでんぷんです。本葛で なければ効果が得られないので、じゃが芋などのでんぷんと混ぜたものはダメですョ。
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