肝は木で腎は水?…陰陽五行で、自然・人・食を学ぶ③


五行の関係性について

五行の木・火・土・金・水には互いに相生(そうせい)、相剋(そうこく)、相乗(そうじょう)、相侮(そうぶ)という関係があります。

 

①相生・・・相手を生む母子関係です。木は火を生む母で火は子供→火は土を生み→土は金を生み→金は水を生み→水は木を生む、この順序で相互に促進・成長する関係です。

五臓(肝・心・脾・肺・腎)も同じ関係にあり、肝の血によって心を養うので肝は心の母→心の陽気で脾を温めて働きを促進するので心は脾の母→脾が作る水穀精微で肺を滋養する→肺気が下降して腎の働きを助ける→腎が貯えている精で肝を養うという母子関係です。

 

②相剋・・・剋は勝つという意味で、祖孫関係ともいいます。木が豊かに繁るところは土も豊かに保たれる、また木は適度に土の養分を使い抑制もするので木は祖・土は孫の関係→火は金属を溶かしきたえることができ、火剋金という→土は水をせき止めることができるので土剋水→金は木を伐ることができるので金剋気→水は火を消すことや、火が燃えすぎるのを抑制できるので水剋火となります。

五臓関係では、肝木は脾土の消化機能を管理するので肝剋脾→心火は肺金を調節するので心剋肺→脾土は腎水を管理する→肺剋木→腎剋心となります。ここまでの、相生・相剋の2つの関係は正常な生理機能です

 

③相乗・・・相乗効果という言葉があるように、相乗とは倍以上勝つこと・相剋しすぎることを表します。原因は主になる方が強すぎるか、剋される方が虚弱状態かの2つの場合があります。

相剋と同じ順序ですが、木を植えすぎると土が不足し痩せる→火が強すぎると金を完全に溶かしてしまい形がなくなる→土が多すぎると水を吸い取ってしまい乾燥する→金(刃物)が多すぎると木を伐り過ぎてしまう→水が多すぎると火が消えてしまうということです。

五臓では、肝が伸びやかさを失い鬱状態になると脾の消化吸収する働きが低下し、食欲がなく腹脹や下痢の症状が現れる→心血の流れが滞ると血の気を載せて循環する機能も低下し、全身の気を司る肺の気も渋滞するので咳・喘息・胸痛が現れる→脾の水を運ぶ働きが低下すると腎の水を司る働きも低下し、むくみ・下痢などの症状が現れる→肺気の昇降出入が停滞すると肝気が上昇できなくなり、鬱状態・咳・胸悶などが現れる→腎水があふれると心火を抑制しすぎて心陽不足になり、冷え・心悸・むくみなどが現れることになります。

 

④相侮・・・相剋関係が逆になってしまうことで、反剋(はんこく)ともいいます。この原因も2つあり、主となる側が虚弱な場合と、相手側が亢進状態の場合です。土が痩せていると木を植えられない→木が固すぎると金属で伐れない→金が多すぎると鍛錬に時間がかかり火を消耗する→火が大きすぎると水が蒸発してしまう→水があふれると土が流されてしまいます。

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五臓では、脾の食べ物を消化し運ぶ(運化)機能が低下すると、肝気の発散がうまくできず腹脹・ため息・胃もたれなどがおこる→肝火が上炎し肺を傷めると突発性の咳や喀血・目赤などの症状が現れる→肺の呼吸機能が低下すると心血の流れが停滞し、心悸・咳・喘息などの症状が現れる→腎水が停滞すると脾の運化作用も低下し、下痢・むくみなどが現れる→心火が亢盛になると腎水を消耗し不眠・心悸・多夢・盗汗・足腰だるいなどがおこります。

 

相乗と相侮は、病的な状態の関係です。このような関係は、臨床の場でも五行に関わる表現が使われています。

たとえば、「木旺乗土」は木にあたる肝が土にあたる脾を相乗して傷めることですが、治療方法として「木抑扶土」は、肝が亢盛になり過ぎるのを抑え、虚弱な脾胃を補って扶ける(助ける)ことです。

母病及子、子病及母は五臓の母子関係における病理の表現ですが、このとき補母瀉子などといい一方を補ったり、勢いを鎮める方法をとります。

 

五行の関係性を理解することは、まだ病気になっていない所を強くしておくなど「治未病」を施すガイドになります

この他五行には、五臓に作用しやすいを定めていて、養生や治療に役立てます。次回に説明したいと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

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