木は火を生んで火は土を生む…陰陽五行で、自然・人・食を学ぶ②
五行の概念とは・・・
古代の人は、自然を構成し生活の中で不可欠な5つの物質を観察し、その特性と相互関係を研究しま
した。その5つの物質が五行の、木・火・土・金・水 です。
これらをもとに自然界の気候や季節、地理、植物と農耕、動物などの生・長・老・死についての考察を
深めすべての事象を説明しようとしました。
医学の中にも取り込まれ、人体の生理や病理、診断、治療についても説明し、中医学の基本理論にまで
高められ、現在に至っています。
五行の特性
①木・・・木は成長、発散、柔軟、伸びやかという特徴があり、この特徴に当てはまるものはすべて
木に属します。春になると東風が吹き、新芽が出て草木が伸び生長するので、春も東も木に属します。
また五臓の肝は伸びやかなことを好み、鬱屈するのを嫌うので木に属します。木は燃えて火を生み、
土の養分を吸い取り、金(金属)に切られ、水に滋養される関係にあります。

②火・・・火は熱い、炎上、明快という特徴があります。夏は暑く、南方は
気温が高く暑いのでどちらも火に属し、五臓の心は最も明快な(喜ぶ)ことを
好み、熱い臓なので火に属します。火が燃え尽きた灰は土になります。
火は金属を溶かし鍛えます。火は水によって制御されます。火は木を燃料と
して燃えます。
③土・・・土は動植物や作物が誕生し生活する基盤です。中国の中原地方は
雨が降り湿度を保ち、気候が穏やかで農作物がよく育ちます。中原(中央)や雨の季節は土に属し
日本の梅雨も同様です。五臓の脾と六腑の胃は、食べ物を消化吸収して水穀精微と呼ぶ営養物質に変化
させ、体を営養して成長させるので土に属します。土は年月をかけて金脈や鉱脈を生み出し、水を
せき止めて制御します。木に養分を取られます。
④金・・・金は硬い性質と溶けて変化する柔軟性も持ちます。独特の澄んだ光沢と冷たさがあります、
錆などの汚れを嫌い清浄なことを好みます。秋は空気が澄んで冷たく収斂する特徴や作物が黄金色に
実ることから金に属します、そして乾いた西風が吹きます。五臓の肺は繊細で澄んだ清浄なことを好み、
肺気は清浄で下降することを正常とするので金に属します。鉱脈の近くには水脈が生まれます。
金属は木を伐り、火に溶かされます。

⑤水・・・水は生命にとって最も重要なものです。冷たく、高いところから
低いところへと流れます。冬は寒く、北風や北方の気候も寒冷です。
五臓の腎は一番低い位置にある臓で冷えやすく、全身の水分を管理し尿を
排泄するので水に属します。水は木を滋養し、火を制御します。
鉱脈の近くで水脈は生まれ、土にせき止められます。
このように五行は自然界の特徴と呼応します、色彩も、木火土金水それぞれが青・赤・黄・白・黒を
特徴的な色として持っていて、症状などに現れ五臓の診断にも使われています。なんだか不思議な気が
しますね!
次回も、もう少し五行についてです。お付き合いいただきありがとうございました。
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