秋は肺を潤して、お肌にしっとり潤いを
さわやかな秋の風が心地よくなりましたね~、でもそれってどんどん空気が乾燥してきてるってことですね?
気持ちのいい季節ですが、秋の深まりとともに空気は乾いて冷たくなり、お肌にとっては厳しい季節になっていきます。さっそく肺とお肌の関係、肺の養生について学び体の中から潤って、お肌しっとりを目指しましょう!
中医学では、秋は五臓の肺の働きが活発になるといいます。
秋の初めは雨が多く空気が澄んで潤い、適度な温度で、肺がよく働くための条件が整うためです。

肺は呼吸と全身の気を司ります。
これは呼吸により新鮮な空気を取り込み、使い終わった濁気を吐き出すことと、新鮮な空気と脾胃で作られる水穀精微(営養物質)を合わせて「宗気」を作り、肺気・心気・胃気・脾気を補給することで全身を巡り、元気補給することを表します。
肺は宣発と粛降を司ります。
宣発(せんぱつ)とは、呼吸で濁気を外に出すこと。気(衛気)を体表に送り、外からの邪気から体を守ること。津液を全身に散布して、皮膚・髪・体毛を営養することです。
粛降(しゅくこう)とは、呼吸により新鮮な空気を取り込むこと。水穀精微と津液を臓腑に送って潤し元気を補給すること。呼吸器官をきれいにし、痰などの廃物を大腸に送ること。使い終わった水分を腎と膀胱に送り尿を生成させることです。
この宣発・粛降の働きで皮膚は栄養と水分を補給されているので、肺とお肌は密接な関係にあるといえるのです。中医学では、肺の健康状態は皮毛に現れるといいます。
お肌の乾燥に対しては、化粧品・美容液などで外から潤いを与えるだけでなく、体の中からのアプローチがとても大切なのですね。
肺という臓器は、鼻を通じて直接外界とつながっているので季節の変化に敏感で、邪気が侵入しやすい特徴があります。そんなポジションにあるのに、肺は乾燥や冷えを嫌うデリケートな臓なのです。ですから、季節変化が大きく、空気が乾燥し冷えてくる秋には肺の養生が大切になります。
秋の、乾燥性という特徴を持つ自然界の邪気を「燥邪」といいます。燥邪は鼻や口から侵入し、肺を傷めると、空咳・痰が少ない吐き出しにくい・喘息・胸痛などの症状を引き起こします。津液を傷めると、鼻や口の乾燥・鼻血・のどや唇の乾燥・皮膚や髪の乾燥・抜け毛・便秘・尿少などの症状が現れます。
また、肺は経絡を通じて大腸と表裏の関係にあります。西洋医学の観点からはお互いの関係性はないように思えますが、たとえばいつもは便通が正常な人が、秋になると便が乾き便秘がちになったりするのは、肺の気や潤いが不足すると、大腸のそれらも不足することが原因の場合が多いのです。大腸がんが肺に転移しやすいことも、昔の人は臨床経験を重ねて知っていました。
よく使う食薬
滋陰潤肺・・・津液を補い、肺を潤すもの。銀耳、白ゴマ、牛乳、豆乳、卵、豚肉、松の実、百合根、柿、イチゴ、小松菜、クコの実、杏仁、麦門冬など。
益胃生津・・・胃を養い津液を生じさせるもの。梨、リンゴ、トマト、枇杷、アスパラガス、豆腐、ホタテ貝、石斛、玉竹、沙参など。

秋は立秋から立冬の前までを指し、秋分の日を境に前半は夏の余熱が残る「温燥」と呼び、冬の寒さが近づく後半を「涼燥」と呼びます。
「温燥」には涼性で苦味を持つもの、清熱類などを合わせて余熱を鎮め生津を促します。この頃には体を熱くする生姜やにんにく、酒、香辛料を控えないとさらに津液を消耗させてしまいます。夏中たくさん汗をかいて、すでに津液を消耗していますので、お肌のためにも気をつけたいものです。
「涼燥」は肺気を高め温めるために、温性で辛味・酸味のものを取り入れていきます。もち米やクルミ、黒ゴマ、ハチミツ、吉林人参、五味子、杏仁など。
とはいえ、やはり温熱性のものを摂り過ぎては乾燥がすすみ、抜け毛やシワを増やす原因になるので注意です。
秋と肺の養生についてでした。美肌にとって肺は重要な臓ですが、他の要素も多く関わっていますので、今後も機会をみて投稿していきます。
お付き合いいただきありがとうございました。
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