秋の薬膳・豆乳ゼリー秋のフルーツソース添え
うちの方もこの頃はかなり涼しくなって、暑かった夏のしんどさも忘れかけていますねー。もうあと少し、空気がからりと乾きヒンヤリとして、蚊がいなくなれば本格的な秋だな…と心待ちにしています。秋は深まってきた頃が一番好きです。
中医学では、季節と五臓の働きには深い関係があると考えます。
どの季節に、五臓のどれの働きが盛んになるのか?五臓のどれを特に養生するべきなのか? これも長い経験からわかっていて、季節の薬膳はそれをもとにメニューを考えます。
五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことで、秋は肺の働きが盛んになります。
「肺は呼吸と全身の気を司る」働きで、鼻から吸った外気を直接受け入れるので外から体に侵入してくる邪気の影響を受けやすく、おまけにとても傷みやすいデリケートな臓であるという特徴をもっています。
滋潤、つまり潤っていることを好み乾燥することを嫌います。ですから空気が乾燥し、だんだんと冷えてくる秋は肺の養生が大切になります。「喜潤悪燥」といいます。
立秋から立冬の前までを秋とし、秋分の日を境に夏の暑さが残る前半を「温燥」、冬に近づき冷えてくる後半を「涼燥」と分けて呼び、養生の仕方が少し変わります。 秋の季節特性(乾燥)を持ち、臓腑の働きを低下させる自然界の邪気を「燥邪」といいます。
豆乳ゼリー秋のフルーツソース添え
弁証施膳:滋陰潤肺(扶正)
材料(4人分)
豆乳・牛乳・水 各2/3カップづつ、アガー10g、ハチミツ大さじ2、ブドウ大8粒、梨1/2個
作り方
①アガーと水を合わせて火にかけ、煮立てないように溶かしハチミツを加える。
②豆乳・牛乳を煮立てないように温め①に加えてよく混ぜ、型に流して冷やす。
③ブドウと梨を小口に切って耐熱容器に入れ、レンジで2分加熱し粗熱をとる。
④③の甘みをハチミツ(分量外)で調えて冷やし、②に添える。あればセルフィーユなどをあしらう。
食薬の効能
豆乳・牛乳・・・体の陰を補い潤す、肺と脾を補う。
ブドウ・・・血を養い気を補う。
梨・・・・・肺を潤し、咳を止め痰を出しやすくする。熱を冷ます。
ハチミツ・・・・気を補い、肺や大腸を潤す。
乾燥してくることは美容にとっても大敵ですね、乾燥を抑え体の内から潤すためには、体の陰を滋養することが大切です。肺の健康状態は皮膚や皮毛に現れ、経絡を通じて表裏の関係にある大腸にも影響します。秋は肺陰を滋潤し肺気を高めることを主に養生をします。
説明が難しくなりましたが、秋になると急にお肌や髪が乾燥しますよね? のどが乾燥しやすくなって咳が出たり、痰が絡んだり、喘息発作がおきやすくなったり、便が乾いて便秘がちになったり…。これらはみな肺の働きと関係があるんです。だからスキンケアや加湿器だけでは不十分で、内臓にもちゃんと働きかけないと潤いは回復しないんです。医食同源だな~って感じていただけるといいのですが…。
体の陰とは主に津液(体のよい水分)と血のことを指します。津液・血はもちろん、気・精など体を構成するものはすべて食べたものから作られています。ですから、消化吸収と栄養を作り出す脾・胃の養生はどの季節でも大切です。これら五臓の働きについてはまた後日にします。
今回は冷たいデザートなので、夏の余熱が残る「温燥」に向きます。まだ日中は暑く、材料のフルーツも店頭に並んでいるので急いで投稿しました。
補足ですが、香辛料などの体を熱くするものや生姜などは使いすぎると体の陰を消耗させて、より乾燥がすすみますから注意です。少量の辛味は肺に通じ働きをよくしますが、もう少し寒くなるまでは控えましょう!
お付き合いいただきありがとうございました。
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